創作設定まとめ

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Minstrel Syndrome【世界観】

遥か昔、この世界は2人の神によって創られた。
1人はエンリル、もう1人はアンといった。
彼らの手によって創り出された世界で生命は急激に進化しはじめた。
そして、新しい生命、「ヒト」が生まれた。「ヒト」は他の生命とは比べ物にならない程の高い知能を持ち、そして、強大な憎悪を内に秘めていることをエンリルは感じていた。
エンリルは決意した。
『これ以上増え我々の世界が奴らに支配される前に「ヒト」をこの世界から消すべきである。』と。
しかしアンは言った。
『この美しい生命の神秘をここで断ち切るわけにはいかない』と。
激怒したエンリルは『お前が「ヒト」を生かすというのなら、この世界ごと「ヒト」を消し去るまで』と、その手で世界を消そうとした。
彼と2人で創り上げたこの世界、決してこんな所で、こんな形で終わらせるわけにはいかないと、アンは自身の力を全て使い、世界を2つに分け、エンリルをもう一つの世界に幽閉した。エンリルを幽閉するためだけに創られたもう一つの世界は闇だけが広がっていて、温もりも、生きているということすら感じさせなかった。
力をすべて使い果たしてしまったアンは、「ヒト」にこの世界の全てを託した。
アンは自分が愚かなことをしたと嘆いた。そしてたった1人で世界の進化を悲しげに見守った。
今はこの話はおとぎ話となり、語り継がれている。

 


〜おとぎ話〜
『大昔に ふたりの神がいました。ひとりはアン、もうひとりはエンリルといいました。
ふたりは互いの力を合わせ、共に世界を創りました。
やがて、ふたりで創った世界に「ヒト」が生まれました。ほかの生命と並外れた知能と憎悪を持つ「ヒト」をエンリルは恐れ、この世界から消してしまおうと思いました。
アンはそれを止めました。美しい生命の神秘を断ち切るわけにはいかないと。怒り狂ったエンリルは、世界ごと「ヒト」を消そうとしました。
それを見たアンは自身の力をすべて使い、世界を二つに分け、エンリルをもう一つの世界に閉じ込めたのです。
その世界にはただただ闇が広がっているだけでした。アンとエンリルはそれぞれ一人ぼっちになってしまいました。
エンリルの怒りはおさまるどころか大きくなっていきました。エンリルは閉じ込められているので、自らの力で手下を生み出し、それに自分の代わりに世界を支配するように命じました。
アンはそれに気づいていました。力をすべて使い果たしてしまったアンは世界の全てを「ヒト」に託し、ひとりで世界の進化を見守りました。いつかまた、かつてのふたりに戻れることを夢見ながら…』

 


エンリルとアン2人で創った世界を表世界、エンリルが幽閉されている世界は裏世界と呼ばれている。
表世界では様々な種族の生き物が存在し、自然も豊かで争いも少ない。裏世界は存在しないと思ってる人が9割。おとぎ話だから…(?)
裏世界で幽閉されたエンリルのアンに対しての憎しみはどんどん大きくなり、エンリルは自らの力で表世界の「ヒト」に対抗する生命を生み出した。それは表世界では「裏世界の住人」と呼ばれている。
エンリルの憎しみにより生み出された裏世界の住人には慈悲の心など存在しない。肌は真っ黒、髪の毛も鮮やかな色ではない者が多い。しかし瞳だけは皆綺麗なエメラルドグリーン。
世界を二つに分けた時アンは、またいつかあの日の2人に戻れるようにと、互いの世界で限られた者のみ通ることの出来る、表世界と裏世界を繋ぐ歪みを生み出している。
エンリルは表世界も自分のものにしてやろうと、裏世界に幽閉され出られない自分の代わりに裏世界の住人を複数表世界に送り出している。

その裏世界の住人の1人は、とある王国の国王に乗り移り、世界征服を企てている。その王国の国民は、国王が操られていることを知らない。